POPS SAVE THE INSOMNIAC

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RaidWorld Festival@SHIBUYA-AX 04.26
Human Highway祭りというかTemporary Residence祭りというか、日米のポストロック/インストミュージックを得意とするレーベルが微妙にクロスオーバーしている、なんかそんなようなものに行ってきました。このライブで特徴的だったのは出演バンドがExplosions in the Skyを除いてすべて日本のバンドであると言う事。国内でも国外でも特に変わらない目線でアティテュードを発信する事はなかなか難しいように思うのですけども、毎日毎日『羞恥心』を鼻歌で歌ってたりうっかり原宿からAXに向かってしまったばっかりに、ケツメイシの代々木競技場第一体育館待ちの人波に埋もれちゃったりしてると忘れてしまいそうになるのですけども、国境を感じさせないバンドというのが日本にもある程度、確実にいるというこの事実。

world's end girlfriend

お目当ての人がいきなりトップバッターで。ずっと観たかった。
唯一VJを使用していて、昔ネットで見たようなソロ弾き語り風ではなくてバンド編成。ストリングスはなくてサックスとドラムとギター。ドラムはセンターに鎮座していました。
前田さんは右端に座ってギターを掻き鳴らすという。たぶん『Hurtbreak Wonderland』が中心で、百年の窒息とか11羽のカラスとかやってたような気がします。前述のように一応ドラムは生っぽいんですがどうにもバックトラックに呑まれ過ぎで、轟音のパートでギターは狂気じみた勢いでガッとノイジーに爆発しているけど後は打ち込みの音しか聴こえて来ないという最悪の音響。激しく失望したと言う事は無いけど、個人的にまた当分観られなさそうなので残念な思いはあります。ワンマンで真価を発揮する人(達)なんでしょう。そうに決まってる。

envy

多分出演者の中で一番解りやすく大多数のファンを抱えてそうだったenvy。名前からしてこう、ひとりマニピュレーターをちょこちょこと弄りながら、アコギなんかで軽く弾き語ったりしながら綺麗系の歌声で酔わせてくれる女性シンガーを想像してた私みたいな阿呆は多分ほとんどいなかったわけですあの場には。見事なまでに厳ついヴォーカリスト。ツインギターとベースとドラム。あれ、6人編成じゃなかったっけ。

この手のバンドのセオリーからはちょっとだけ外れて、のっけからトップスピードでコアな爆音を炸裂させてイニシアチブを取った後に繊細さを打ち出したメロディで「あれ?」と思わせておいてまた轟音、余韻は少し憂いを帯びた感じで、という曲展開が印象的。ヴォーカルの展開も絶叫→語り→絶叫。ハンパしてんじゃねーよコラというチャンピオンないしヤングキング感が4組中で一番漲ってて清々しい。日本語なのに歌まったく聴き取れなかったけど清々しい。メロディラインにはツボにハマる瞬間も多かったけど、絶叫系のヴォーカルってちょっと聴けなくなっちゃったかなーとも思えて今ひとつという印象になってしまいました。

MONO

実はシングルだったというWEGとのコラボ作ぐらいでしか聴いた事のないバンドではありましたが、これライブ体感するとすごいなと。すごいみんな真摯。一音一音にとても真摯。時に染み渡り、時に流れていく音を細大漏らさず拾い集めるのにこちらも必死。

CDでは儚さだとか切なさだとか、そういう脆くも美しい的な部分が際立って聴こえるんだろうなという音世界。ライブでは激情3割増しな風に聴こえました。聴いてて印象に残ったのは、envyほど両極端な静と動ではなく、ローとトップの間に設けられたセカンドギア的な部分と、その密度の高さ。
静と動の間の助走と言うかあそびというか、非日常と次の非日常の間の日常というか、とにかくその虚ろな空白に幾重にも塗り込められた様々な色彩。それがたまらなく美しく、狂おしく響くのです。長くも無いだろうけど決して短くも無い道程の中で彼らが築き上げてきたものっていうのをちゃんと1つの音像として俺にも見せてくれる。聴かせてくれる。それをダイレクトに感じることが出来たっていうのが嬉しかったと、まあそういうわけなんです。良かった。

Explosions in the Sky

各バンド約1時間ずつセットを消化して、ここでTemporary Residenceのドン、真打の登場。聴き始めて日は浅いですが楽しみにしてました。右端の人がやけに流暢に日本語でMCをしていて、なんだこの親日家っぷりはと感嘆したのも束の間、彼は誰憚る事無くカンペ片手に喋っていて、という。それでも掛け値なしに巧かったですけど日本語。

そして演奏ですが、彼らの奏でる音は完全無欠に美しい。構成は演者の中ではMONOよりはenvyやWEGに近く、ポストロック的なジャンルの常套展開なのですけど、静謐から怒涛への移行に非常にソツが無いんです。まさにバンド名を体現するような勢い。朗々と日本語でMCをしていた件の右端の人はドラマーのプレイに割り込んで、1つのドラムを2人で叩く仲睦まじさを発揮してみたり随所に茶目っ気も見せつつテクニックとエモーションとを一遍の泥臭さも無くきらびやかに発露してみせる熟達のライブ。圧巻はツインギタリストとベーシストによる、叩きつけながら弾く、そのまま楽器も叩きつけてしまいかねないパフォーマンス。エレクトロニカ/ポストロックまたはマスロック周辺のドラマーさんには殊更に緻密なプレイと膨大な手数が要求されるもんだとは思いますが、このアンサンブルは来て良かったと思わせるに足る充足感。アンコールを期待する拍手も高まる中、予想に反してノーアンコールでお開きという無常感も、そりゃあれだけの名演ですものまた醍醐味かなと。

演出の関係で全体的に照明は暗めで、MONO以降はまだ見やすかったですけど、WEGのステージングが壊滅的に観づらかったのも個人的には憂うべきところで、今度こそワンマンでWEGを観ると言うのが生涯の抱負になりました、という感じで。
| LIVE2008 | 09:33 | comments(8) | trackbacks(0) |
Boom Boom Satellites JAPAN TOUR 2008@STUDIO COAST 02.16
ワンマンには5年半ぶりの参加になります。ブンブンサテライツ。
最近のアルバム群はなんだか三部作なんぞと呼ばれているようでその三部作、とりわけ最新作がメインなんでしょうがなんせフルセットですのでまあ色々聴けるんじゃないでしょうかと。初期の曲はなかなか聴けないだろうけど楽しみにしていました。ついでに初めて行くSTUDIO COASTもちょっと楽しみにしてました。



円形のバーカウンターがエントランス全体を囲むほど大きく、今まで行ったライブスペースの中では一番酒を飲むことに重きを置いているんじゃないかと思いました。ageHaが定期的に開催されていることにも関係があるのかも知れませんけど。connectの時はそれほど感じなかったけど、完全にファン層の代謝が完了しちゃってますよねブンブンて。3年間の集大成が、使い込まれた彼ら彼女らの首タオルとリストバンドの群に集約されている気がしました。

フロアもリキッドルームがそのまんま二回り大きくなったっていう感じで、階段の上がステージの全景を見渡せるポイントのひとつであると気付いてそこで待機。実は20時開演だった今回のライブ、ステージ後ろだけでなく緞帳にもVJが施されていて、登場直後のパッと見は、メンバーが檻の中にいるようにも見えるという演出で始まるんですが出てきてコンマで隣の女子が「チョーカッコイー!」とか叫びやがるので一気に醒めてしまいました。

3曲目までは『EXPOSED』の曲順通り、やはり新作メインで基本アッパー、多少温度を微調整しつつ『Kick It Out』や『Moment I Count』なんかで確実に場を盛り上げて行きます。ただ、盛り上がり重視なためかセットリストがconnectと較べてもあまりに固定しすぎてる気がするので、もう少し入れ替わり激しくても良かった。『Generator』の代わりに『SLOUGHIN' BLUE』をやってみるとか。

スタジオコーストは最新鋭の音響設備が売りらしいですが、なるほど音の通りは確かにいいんじゃないかと思いました。中野さんがフライングVを使う場面が頻繁に見られ、川島さんは軽快にステージを走ったりなんかしちゃっててもう5年半前の朴訥なアンダーグラウンド色は微塵もありません。ほぼすべての曲でライブ用のアレンジが施されていて、パターンはどれも似通ってますが初期のブレイクビーツ時代を彷彿とさせる局面が多々あり、人力演奏とのバランスが絶妙。どっちに転んでも良し、暴れたい騒ぎたい以外のニーズを無視する事無く彼らの音は響いていたんじゃないかなあと思います。とにかく動きたい人となんとなくノっていけない人や普通に聴いてたい人との棲み分けが自然に成されている様はちょっと感動モノでした。まるでアイドルを見るような目で「チョーカッコイー!」を連発してた隣の女子は1曲で我慢できなくなってフロアへ下りていきましたし。知らない曲でも平等にはしゃぐファンのスタンスにはひとつの愛の形がありました。

これも5年半前なら有り得なかったまともなMCとダブルアンコールというサプライズが終盤にあったり。川島さんの声は無理矢理ロックっぽく歌おうとして稲葉浩志さんみたくなっちゃってるんではなくて、元からハイトーンボイス気味なんですね。丸くなったなあというか社交性が迸ってるなあというか、初めて生で聴いた『Dive for You』なんかは流石の牽引力で階段側の人間の目の色すら完全に変えてましたし、『Dress Like An Angel』は目を瞠るほどに恰好良かったし、しかしアンコールをやる空気はあからさま、というとにかくそういう驚きと寂しさの入り混じる思いで、ベクトルの変化したブンブンの恰好良さを堪能したつもりではいるんですけど、やっぱり『Fogbound(たぶん)』とか『Dig The New Bleed』なんかでこれ以上なく反応してしまうのは仕方ないじゃないですか、という話でもあるのです。

<Set List>
1.Upside Down
2.What Goes Round Comes Around
3.Morning After
4.Easy Action
5.Bring It On Down
6.Cluster
7.Kick It Out
8.Generator
9.Six Forty Five
10.Fogbound
11.Moment I Count
12.Intergalactic
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<Encore 1>
13.Get back In My House
14.Dive for You
15.Dress Like An Angel
------------------------------------------------
<Encore 2>
16.Dig The New Bleed
| LIVE2008 | 01:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
MUM JAPAN TOUR 2008@duo MUSIC EXCHANGE 01.16
至宝のウィスパーヴォイスで初期の世界観を彩ったクリスティンとギーザ――双子のヴァルティースドッティル姉妹の脱退から1年と一寸、一時は男2人にまで数を減らしたmumがメンバーを3倍以上に増やし、不死鳥の如く復活して来日公演、ということで行って参りました。場所は渋谷のduo Music Exchangeという事でこれがまた微妙。しかし盛大に遅刻をしてしまい、渋谷に着いたのが開演1時間後という体たらく。アルバムリーフ然り、montag然り、今まで観てきたニカ系の演奏時間は大体1時間ちょい、アンコールあっても1時間半に満たないというこざっぱりしたイメージがありましたので、前座付きだったとしても絶望的だろうなあと後悔しつつduoに入ってみると果たしてムーム演奏中。

空気的にクライマックスな感じはしなかったけど、いつメンバーが捌けていってしまうか戦々恐々、『Blessed Brambles』が終わった時はさすがに本編はこれで終了だろうと諦め、アンコールを促す手拍子のために素振りの練習をしようと手を振り上げた所で『A Little Bit,Sometimes』が(多分)始まり、そこからはあれよあれよと10曲ぐらい観る事が出来ました。

センターに陣取るチェリストのお嬢さん(結婚して下さい)と新ヴォーカリストのお嬢さんはめっさ楽しそうで、フロア後方との温度差はかなり違う模様。多分あれなんですよ、フロアにどっかりと聳え立つ2本の柱。あれがいかんのでしょうね。後ろからだとステージが2分割で見えてしまうから。音響にも影響しそうだし。

大幅にメンバーが変わってしまっているからか、ほぼ新作からしか演奏されず、下手すると旧譜の曲は1つやったかやらなかったかぐらいだったように思うんですけど、前作からは想像も出来ないくらいにひたすらに迸る陽のエネルギーが印象的でした。初期の再来かと思わせるようなグリッチ・ビートと、ピアニカやリコーダーといったチープな音色が意外と肝な童話的メロディがそれなりに融け合い、男女混声も生で聴くとダイナミクスが違いますねと。『They Made Frogs Smoke 'Til They Exploded』や『Dancing Behind My Eyelids』なんかは久々にエレクトロニカ畑としてのmumが堪能できた感じがしました。結局この後アンコールが2曲あり、なんとか1時間は楽しめました。良かった。

姉妹――とりわけクリスティンの脱退はリスナー側には未だに大きな爪跡を残しているわけですが、バンドの方は呪縛から解放されたかのように活き活きとパフォームしておられました。あの歌声は貴重ではあったけれど、今後はヴォーカルありきではなく、もうちょっと自由度が高くて吹っ切れた作品を創ってくれるんじゃないかなと新たな期待ができそうな。
もっと早い時期に観とけばという後悔はあれど、とりあえずクリスティン云々は関係なく良いステージでした。あと、フロア内に常識のように設えられてる物販スペースと曲調に関係なくとにかく跳びはねてたどうみてもヒップホップ畑という風体の少年が、柱以上に難敵でした。どうしても目が行ってしまう。
| LIVE2008 | 04:46 | comments(0) | trackbacks(0) |

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